接続工事の技術(Ⅰ)

平衡対メタリックケーブル

  • SS(自己支持型)ケーブルを敷設する場合、風によるケーブルの振動現象であるダンシングを抑えるため、ケーブルに捻回を入れる
  • 自己支持型ケーブルは、丸型ケーブルと比較してダンシングが生じやすい。強風地域に適していない
  • 架空線路設備に用いられるCCPケーブル最大対数は400対であり、最も細い心線径は0.4mmである
  • 地下線路設備に用いられるPECケーブル最大対数は3600対であり、最も細い心線径は0.32mmである
  • 地下線路設備に用いられる多対ケーブルには、ポリエチレンと比較して誘電率が小さい発泡ポリエチレンを心線被覆に用いたものがある
  • 設備センタからユーザまでのアクセス区間において、設備センタに近い区間に用いられる平衡対メタリックケーブルは、設備センタから遠い区間に用いられるものと比較して、心線導体径は細い
  • アクセス系設備においては、心線導体の被覆に誘電率の小さい絶縁体材料を用いることにより心線間の静電容量を小さくすることができる
  • 漏話の軽減対策としては、平衡対間の静電結合及び電磁結合を小さくするために、各平衡対の心線を異なるピッチで撚り合わせる方法がある
  • アクセス系設備の架空線路区間は、接続損失を抑えるために、同一特性インピーダンスの平衡対メタリックケーブルに統一されている


通信用フラットケーブル

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テスタのゼロオーム調整

  • アナログ式テスタの内蔵電池が消耗している場合、抵抗測定レンジでテストリードを短絡してゼロオーム調整つまみを回しても指針が正確にゼロオームを指さないことがある
  • デジタル式テスタのリラティブ測定機能は、直前の測定値を記憶することができ、抵抗測定レンジでは、ゼロオーム調整用として利用することができる

アナログ式テスタ

  • 永久磁石で発生する磁界を利用する可動コイル形のアナログ式テスタは、電流目盛りの目盛間隔が一定(平等目盛)であるため指示値が読み取りやすく、電池などの直流電源を用いた回路の電流測定に適している
  • 直流電流の測定における固有誤差が±3パーセントのアナログ式テスタを用いて、5ミリアンペアの直流電流を最大目盛値が10ミリアンペアの測定レンジで測定した場合、指針が示す測定値の範囲は、4.7~5.3ミリアンペアである

デジタル式テスタの測定誤差

  • AA級のデジタル式テスタの直流電圧測定における固有誤差は、±(指示値の0.2%+最大表示値の0.25%)と規定されている
  • 直流200ボルトレンジ、分離能0.1ボルトで読み取り値が100ボルトであったとき、誤差の範囲が最も小さいテストは、確度が±(1.0%rdg+6dgt)のテスタである

フロアダクト配線方式

  • 床スラブ内にケーブルダクトが埋め込まれており、60cm間隔で設けられた取出口から配線ケーブルを取り出すことができ、電気、電話及び情報用のダクトを有する3ウェイ方式などが用いられる

アンダーカーペット配線方式

  • ケーブルを床面と固定するためにフロアクリップが使用され、床面から立ち上げたケーブルを保護するためにケーブルパスが使用される
  • フラットケーブルに捻れのない状態で敷設する
  • フラットケーブルを折り曲げて敷設できる

デジタルPBXの設置工事

  • 代表着信方式の設定において、代表グループ内の内線がおおむね均等に利用されるように内線を選択させたい場合は、ラウンドロビン方式を選定する
  • 代表着信方式の設定において、代表グループ内の回線に優先順位を設け、常に上位の空き回線を選択させる場合は、順次サーチ方式を選定する
  • 同一部署における複数の内線を異なる内線回路パッケージに分散して収容することにより、一つの内線回路パッケージが故障しても、当該部署の全ての内線が使用できなくなる状況を防いでおくことが望ましい
  • デジタル式PBXの内線回路にデジタルボタン電話装置の外線を接続して収容する携帯としたものは、ビハインドPBX方式といわれ、デジタル式PBXの内線収容条件により内線数を増設できない場合、使い慣れた機能を持つデジタルボタン電話機を利用したいがデジタル式PBXにはその機能がない場合などに用いられる
  • 他メーカーのものは利用できない

デジタルPBXの接続工事

  • 内線端末としてのアナログ式電話機とISDN端末は、前者は2線式、後者は4線式で主装置の内線ユニットに接続される

耐燃PEシースケーブル

  • 耐燃PEケーブルのシースが、経年劣化により変色していくことがあるが、ケーブルの電気的・機械的特性や耐燃・耐熱性などには影響しないので、張り替える必要はない
  • 外被がポリエチレン系の材料に統一されていてリサイクル対応が可能であるため、廃棄物の低減に寄与することができる
  • 発煙濃度が低い
  • PEシースが擦られて傷つくことを防ぐために、ケーブル入線剤(滑剤)を利用する方法が有効である
  • 許容曲げ半径は、ポリ塩化ビニル(PVC)シースケーブルと同様であり、シース除去作業では、PVCシースケーブルに用いるものと同様の工具を使用することができる

デジタルボタン電話装置の設置工事

  • デジタルボタン電話装置の筐体に施すD種接地工事では、接地線としてIV線を使用し、接地抵抗は100Ω以下としなければならない
  • 一般に、通信機器の接地には、被覆の色が緑の600Vビニル絶縁電線(IV)を用いる。

デジタル式PBXの機能確認試験

  • コールウェイティング試験では、着信通話中の内線に外線着信があると、着信通知音が聞こえ、フッキングなどにより、その着信呼に応えて通話が可能となり、通話中であった呼は保留状態になることを確認する。さらにフッキングなどにより通話呼と保留呼を交互に入れ替えて通話できることを確認する
  • コールピックアップ機能では、あらかじめ設定しておいたグループ内のある内線番号への着信時にグループ内の他の内線から、特殊番号のダイヤルなど所定の操作をすることにより、当該着信呼に応答できることを確認する
  • CTI機能では、電話応答時に電気通信事業者が提供する発信者番号通知サービスを利用して該当するお客様の情報がPC画面に表示されることを確認する
  • コールトランスファ試験では、内線電話機Aと内線電話機Bが通話しているときに、内線電話機Bがフッキング操作などにより、内線電話機Aとの通話を保留して内線電話機Cを呼び出した後、オンフックすることにより内線電話機Aと内線電話機Cが通話状態になることを確認する
  • 内線キャンプオン試験では、被呼内線が話中状態で接続できないときに特定番号をダイヤルするなどの操作をすることにより、当該内線が空き次第、当該内線が自動的に呼び出され内線通話ができることを確認する
  • 外線キャンプオン試験では、外線が空いていないときに特定番号をダイヤルするなどの操作で外線を予約することにより、外線が空き次第、外線発信ができることを確認する
  • アッドオン試験では、内線Aが内線B又は外線と通話中のとき、内線Aがフッキングなどの操作後、内線Cを呼出し、内線Cとの通話後、フッキングなどの操作により3者通話が正常に行われることを確認する
  • IVR試験では、外線からの着信に自動音声で応答すること、及び自動音声のガイダンスに従い接続先や情報案内などを選択してプッシュボタンを操作することにより、所定の動作が正常に行われることを確認する

  • 最終更新:2015-11-17 11:56:18

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